ヘルペスは子供にも発症します。成人が発症したときとは異なる症状が起こるのが特徴で、場合によっては死の危険性もあるため、早急に治療を受けることが重要です。
この記事では、子供がヘルペスにかかったときの症状や対処法についてみていきます。
子供がヘルペスになったときに起こる症状
ヘルペスは口唇ヘルペスと性器ヘルペスの2種類に大別でき、それぞれ口や性器に痛みを伴う水ぶくれを引き起こします。
一方、子供がヘルペスウイルスに感染、発症した場合、口唇ヘルペスや性器ヘルペスの他に、以下の症状が起こることがあります。
- 歯肉口内炎
- ヘルペス性湿疹(カポジ水痘様発疹症)
- ヘルペス性瘭疽(ひょうそ)
- ヘルペス脳炎
- 新生児ヘルペス感染症
- カポジ水痘様発疹症
歯肉口内炎は、1歳~5歳の子どもに多く見られる症状です。口の内外の粘膜や歯肉に赤みや水ぶくれ、ただれや潰瘍ができます。また、よだれが多くなったり、口臭がひどくなったり、リンパ節の腫れ、発熱などが起こったりします。
ヘルペス性湿疹は0~5歳に多くみられる症状です。発熱や食欲不振からはじまり、頭や顔面、上半身に水ぶくれが起こります。アトピー性皮膚炎で皮膚のバリア機能が下がっている部位にウイルスが感染することで起こります。
ヘルペス性瘭疽(ひょうそ)は手指や爪周囲に赤み、腫れを伴う水ぶくれが起こります。
ヘルペス脳炎は、ヘルペスウイルスによって起こる脳の炎症です。発熱、頭痛、けいれんといった症状がみられ、最悪の場合死に至ります。
新生児ヘルペス感染症は、新生児が出産の際、産道に繁殖したヘルペスウイルスと接触することで発症するヘルペス感染症です。水ぶくれができるだけでなく、脳炎や肝炎、肺炎など、重い症状が起こります。
妊婦がヘルペスに感染していた場合、帝王切開が必要になることがあります。
他にも、眼に潰瘍ができるヘルペス性角膜炎や、発熱のあと全身に発疹が出る突発性発疹が起こることもあります。
水ぼうそうもヘルペスの一種
こどもによくみられる水痘(水ぼうそう)は、ヘルペスウイルスの一種である水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こります。
水ぼうそうはワクチンが開発されており、2014年からは無償で受けられるようになりました。
一度水ぼうそうに感染したのち、免疫の低下によって体内の水痘・帯状疱疹ウイルスが再び増殖すると帯状疱疹が起こります。
発症に気付いたらすぐに病院へ

子供に熱や水ぶくれが見られたら、病院へ行きましょう。また、幼児が理由もなく不機嫌だったり、食べものを口に入れることを嫌がったりする場合もヘルペスを疑い、病院で診察を受けましょう。
子供がヘルペスにかかったときに受診するべき病院は以下の通りです。
- 皮膚科
- 内科
- 小児科
皮膚に特徴的な症状が出ていれば、検査なしで治療が行われます。
治療には抗ウイルス薬が使われます。主に使われる薬はバルトレックスやゾビラックスです。
体重40kg以上の子供には錠剤が使われます。それ以下の子供には錠剤は副作用のリスクが高いため、顆粒タイプの薬が使われます。
顆粒タイプが使われるのは、子供の体重に合わせて適切な量を与える必要があるからです。
ヘルペスでできた水ぶくれにはウイルスが存在します。感染が広げないために、患部のむやみな接触は避けましょう。また、タオルや食器の共有も避けましょう。
子供に水ぶくれや発熱、不機嫌といった兆候が見られたら早めに病院を受診し、適切な処置をうけましょう。