口唇ヘルペスはヘルペスウイルスに感染することで起こる感染症です。口の周りに痛みやかゆみ、水ぶくれを引き起こします。
この記事では口唇ヘルペスの症状や対処法について解説します。
口唇ヘルペスの症状

口唇ヘルペスは、文字通り口や唇の周りに水疱ができ、痛みやかゆみが生じる病気です。
初めて感染すると、発熱やのどの痛み、頭痛、倦怠感といった全身症状をおこすことがあります。
この病気の原因は単純ヘルペスウィルス1型(HSV-1)です。
HSV-1は、いちど発症すると顔の三叉神経に潜伏し、上半身を中心に、顔や唇などに症状を引き起こします。
病気や疲労、ストレスなどで免疫力が低下したときに再発しやすくなります。
主な症状は口の周りにチクチク、ヒリヒリとした感じが痛みやかゆみです。口の周りや唇が少し熱っぽくなる場合もあります。しばらくすると、口のまわりが赤く腫れてきて、2~3日後には、腫れた部分に水疱ができます。
- ヒリヒリ、チクチクとした痛みやかゆみ
- 水疱
- 発熱(初感染時)
- 喉の痛み(初感染時)
- 頭痛(初感染時)
- 倦怠感(初感染時)
水疱は1週間前後でかさぶたとなり、その後、治癒します。
口唇ヘルペス発症中の対処法

口唇ヘルペスの症状が出たら、悪化を防ぐため患部を清潔にし、なるべく乾燥させましょう。湿った状態は、患部を悪化させます。
水ぶくれが破れたところは細菌感染しやすくなります。水ぶくれが破れた場合は、綿棒などに消毒用アルコールを染み込ませたものでふき取ると、感染力の低下に効果的です。
水疱ができている間は、ウィルスが最も活発に増殖している時期なので、周囲の人に感染させないよう注意しましょう。
- 水疱が破れないようにできるだけ患部を触らない。
- 患部に触れた場合は、必ず手を洗い清潔にする。
- 感染者の使ったものは共有しない。
手指を清潔にし、使った食器などはしっかりと洗剤で洗いましょう。また、症状が出ている間は、タオルや食器の共用を避けましょう。
再発を防ぐには
口唇ヘルペスにかからないためには、日頃からどういったことに気を配ればよいのでしょう。
口唇ヘルペスは免疫力が低下すると再発しやすくなります。
免疫力を低下させないためには、日々の生活に気をつけることが大切です。
食生活においては、1日3回、規則正しく食事をし、食事内容もバランスの良い栄養摂取に気を配りましょう。
特に口唇ヘルペスの予防に効果がある食材としては以下のものが挙げられます。
- ほうれん草
- レモン
- ごま
- ぶた肉
- レバー
ほうれん草はビタミンA、レモンはビタミンC、ゴマや豚肉じゃビタミンB1、レバーにはビタミンB6が含まれています。
免疫力を上げるためには、充分な睡眠で体力的疲労を改善し、趣味や運動などのストレス解消法を見つけストレスフリーな生活を送ることが必要です。
紫外線は口唇ヘルペスに大敵なので、強い紫外線が当たる場所に行く場合は、帽子やUVカット用のクリームなどを塗って予防しましょう。
口唇ヘルペスの感染率

成人するまでに50%~80%の確率でヘルペスウイルスに感染するとされています。70代では、ほぼ半数の人がウィルス抗体を持っているといわれます。
一方、感染した全ての人に症状が出るわけではありません。
口唇ヘルペスの発症率は以下の通りです。
- 男性→5.7%
- 女性→14.8%
女性の方が症状が出やすいです。男女の発症率を合わせると、およそ10人に1人が口唇ヘルペスが発症することになります。
逆にいえば、感染した人の9割が症状が出ないということになります。
10%という数字は、実際に発症した感染率ですから、感染しても症状が出ずに、ウィルス抗体だけを持っている人の数字は、かなり高いものだと推定されます。
単純ヘルペスウィルス1型の抗体を持つ人は、20~30代で20%です。
そのため、免疫力が低下すれば、誰もが口唇ヘルペスに罹ってしまう可能性があるのです。統計上の感染率が低いからと、無防備でいると、知らない間にヘルペスを発症しているかもしれません。
口の周りの痛みやヒリヒリ感など口唇ヘルペスの初期症状があらわれたら、早めの治療をおすすめします。
今までに、口唇ヘルペスに罹ったことなどないと思っていても、安心はできません。症状が出ていないからと楽観せず、日頃から生活習慣に気をつけて、予防対策をとることが必要です。