ゾビラックスは抗ウイルス薬の一種です。アシクロビルという有効成分が使われています。単純ヘルペスウイルス(口唇ヘルペス、性器ヘルペス)、水疱瘡、帯状疱疹ウイルスに対して有効です。
この記事ではゾビラックスの効果やアシクロビルの作用について解説します。
ゾビラックスの効果・副作用

ゾビラックスはアシクロビルが主成分で、世界初のヘルペス治療薬になります。
ゾビラックスには以下の効果があります。
- 単純疱疹(口唇ヘルペス、性器ヘルペス)の治療
- 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純
疱疹)の発症抑制 - 小児の性器ヘルペスの再発抑制
- 帯状疱疹の治療
- 水痘(水ぼうそう)の治療
- 単純ヘルペスウイルスに起因する角膜炎の治療
基本的に錠剤が使われますが、脳炎、髄膜炎などの合併症がある場合には点滴剤が使用されます。また、角膜で発症したヘルペスには眼軟膏が使われます。
ゾビラックスはそれぞれの病気に対し高い有効性をもちます。
- 単純疱疹
→89.2% - 帯状疱疹
→93.4% - 小児の単純疱疹
→87.8% - 骨髄移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制
→単純ヘルペスウイルス感染症の発症率が0%に
いずれも、発症初期であるほど効果が高くなります。
ゾビラックスは用法、用量を守れば、副作用をほとんど気にかけることのない安全性の高い医薬品です。そのため、大人から子供まで幅広く用いられています。
一方、市販薬は外用薬のみに限られており、内服薬には医師の処方箋が必要になります。
併用する医薬品によっては副作用があらわれることがあるので注意が必要です。
おもな副作用は頭痛、眠気、吐き気、下痢、発疹、かゆみ、めまいなどです。
5日間以上経過しても改善がみられない場合は、医師に相談しましょう。
アシクロビルはウイルスの増殖を抑える

アシクロビルはゾビラックスという名前で販売されています。錠剤や注射薬、塗り薬という形で使われます。
ゾビラックスは医療用医薬品のため、基本的に病院で処方されます。一方、市販薬としてヘルペシアやアクチビアという製品がドラッグストアで販売されています。
- 病院でのみ取り扱いあり
- 錠剤、注射薬、塗り薬がある
- ヘルペス、水痘、帯状疱疹に有効
- ドラッグストアで購入可能
- クリームタイプの塗り薬
- 再発した口唇ヘルペスにのみ有
- ドラッグストアで購入可能
- 軟膏タイプの塗り薬
- 再発した口唇ヘルペスにのみ有効
ヘルペスウイルスは自力で自力で増えることができないため、感染した細胞の力を利用し、遺伝情報のDNAを複製することで増殖していきます。
DNAは核酸構成成分を取り込んで複製していきます。一方、アシクロビルはこの核酸構成成分と似た構成をしています。細胞の核酸構成成分の代わりにヘルペスウイルスに取り込まれることで、ウイルスの増殖を抑えるのです。
従来のウイルスの増殖を抑える医薬品は、ウイルスに感染した細胞にも害を及ぼすという問題がありました。アシクロビルはウイルスを抑制しても、感染した細胞には害がないため、従来の薬よりも安全に使うことが可能です。
ウイルスを完全に排除することはできない
成人の50%~80%ヘルペスウイルスに感染しているとされています。ヘルペスウイルスは身体の免疫機能が保たれていれば基本的に症状を引き起こすことはありません。
一方、一尾感染したヘルペスウイルスはウイルスは死滅することがなく、神経細胞の中に潜伏し続けます。
潜んでいるウイルスは、疲労や病気、ストレスによる免疫力の低下で再発します。
アシクロビルは、体内に潜伏しているウイルスには効果がありません。そのため、ヘルペスウイルスを完全に排除することはできません。
再発してウイルスが活性化した時に、ウイルスの増殖を抑えるため発症の初期段階で使用することが一番効果的になります。
長期間アシクロビルを投与していると、ヘルペスウイルスが耐性をもつ可能性があるため、むやみな使用は禁物です。